出雲大社の神様、「オオクニヌシ」は、なぜ参拝者の方に向いていないのか?
井沢氏は、この理由を詳細に説明しています。
神話によると、オオクニヌシは古代の出雲を手中にしたあと、山陰地方を征服、
その後、現在の兵庫県から北陸、長野県まで勢力を伸ばしました。まさに大国
の王であった。
ところが、このオオクニヌシが苦労の末に作った国をいきなりやってきて、全部
よこせという者が現れた。それが、今の皇室の先祖とされるアマテラスオオミカミ
(天照大神)です。
もちろんオオクニヌシは抵抗した。その後、すったもんだの挙句、現世の政治は
アマテラスが、あの世の政治はオオクニヌシが統治することが決定(国譲り)された。
オオクニヌシは、黄泉の国に退隠し、今後一切、この世の政治には口を出さず、
霊界のみを治める霊界の政治(幽事:かくりごと)の神となりました。
人間の運命や結縁といったことも幽事の領域ですから、オオクニヌシは
「縁結びの神様」とされ、後世、出雲大社はそれで有名になったわけです。
ちなみに、国譲りのときにはいろいろと争いがあって、国を譲れと迫るアマテラス
の使者に、オオクニヌシの息子タケミナカタは怒って力競べを挑んだところ、あっさり
負けてしまい、信濃の諏訪湖まで逃げた。
タケミナカタは、永遠に諏訪の地から出ないという条件で命を救われたのですが、
そのタケミナカタを祀ったのが、御柱神事で有名な諏訪大社です。
※ 井沢元彦「逆説の日本史」から
神話の世界にはまったく疎い私ですが、そんなことが書いてあるのかと感心!
でも、何でオオクニヌシがそっぽを向いているのか、理由が書いてないと思っている
方は、次回以降までお待ちを。