日本史勉強会(その4)

さわちゃん

2009年02月25日 22:35

井沢氏が「逆説の日本史」で指摘する、歴史学の病弊

1 滑稽ともいうべき史料至上主義
2 権威主義 
3 日本史の呪術的側面の無視ないし軽視

のうち、2番目の「権威主義」について、具体例を挙げ、次のように指摘しています。

丸山ワクチンが効くか効かないかということで問題になったことは、よくテレビ
などで放送されていました。丸山ワクチンはいまだに正式な薬として認められ
ていないようですが、これは効く効かないの問題ではない。「学会の権威」と
いうものが問題となっている。

つまり、この国では、権威の名の下に、いかにでたらめなことが行われ
ているかということ示す端的な例であるということです。

医学界のほかにも法律界での事例を挙げて説明がされていますが、要は、
大先輩の博士が生きているうちは、その説がまちがいではないかとわかっ
ていてもいいにくい。先輩は恩師の説を批判することができないという
現実がある・・・ということです。

それはなぜかというと、日本人はその人個人とその個人が生み出した学説
とを区分することができない。だから、日本の学界では、その説を批判すると、
その人個人を批判したこととなり、「無礼だ」とか「たとえ正しくとも言うべきでは
ない」

という非難が出てくる・・・というものです。

(※ これは、学者の世界だけでなく、上司には逆らえない悲しいサラリーマン
の世界でも同じようなものだと私は思いますが・・・)

だから、井沢氏は歴史学の分野でも同じ現実がある。間違った歴史認識
の学説があって、それを回りの者が誤りであると感じていても、誤りを指摘
できない風潮がある。

では、権威による誤りを見抜くにはどうすればいいのか。

氏は「本当の常識に照らして物を考えることだ」

と述べ、自分(井沢)が言うことと歴史学者が言うことのどちらに分があるか判断して
ほしいと主張しています。


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